退職後の生活で必要なお金は?
長生きすれば「お金」も必要
現在日本は「長寿の国」。
退職後は何をしようか、どんな生活をしようかと考えている人も多いのでは?
長生きすればするほど人生を楽しむ時間が増えるのは嬉しい反面、長生きする分お金も必要になります。 新聞やテレビのニュースで、年金の支給額が少ない話が定期的に取り上げられる昨今。退職金も十分もらえず貯蓄も少ない状況だとしたら、これから先の支出がどの程度になるか想像できず、不安ですよね。さらに年金額も少ないとなると、退職後の生活が心配となるのは当たり前です。
意外とかかる退職後生活の「お金」
生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と思われる最低日常生活費は、平均額で月額22.3 万円となっています。
また、「経済的にゆとりのある老後生活を送るための費用」として、老後の最低日常生活費以外に必要と考える金額の平均は、月額14.3 万円となっています。
これらを足すと、月額36.6万円が必要となります。
「せっかく退職後は好きなように楽しめる!」と考えていた人には恐縮ですが、退職後のお金は意外とかかるのが事実。資金が切羽つまってからでは対処法にも限りがあります。 そんな限られた中で、退職後が楽しく生活していけるような工夫を紹介していきます。
「収入源を見つけて」お金を増やす方法
再雇用
まず貯金に余裕がないとわかれば、「働く」という選択も浮上するでしょう。
そこで注目なのが「再雇用」再雇用制度とは、定年を迎えた社員を一度退職させ、その後に再度雇用する制度のことです。 再雇用の場合、業務内容が大きく変わることはないものの、企業側に定年前と全く同じ業務内容に就かせなければならないという義務はないため、環境によっては業務内容の変更や責任範囲の変更などはあり得ます。事前によく確認しないと、再雇用後の業務内容に不満が出る可能性も。「これまでの部下が上司になって気まずい」「給料が下がって悔しい」という思いをする方もいるそうです。
再就職
再雇用と違って、再就職は、これまでと違う仕事・会社に勤めること。現役時代にはできなかったことを仕事としたい、と思う方にぴったり。
年収100万円〜200万円であれば、正社員だけでなくアルバイトも選択肢として広げることができます。近頃では、シニアを積極採用しており再就職のハードルも低い求人として「清掃・警備・早朝勤務のアルバイト」がおすすめ。 シニアになると朝働くことが苦ではないという方も多く、コンビニやパン屋の工場であれば朝の6時から仕事をすることができるので1日を有意義に過ごすことが可能と言えます。同様に清掃や警備も深夜から早朝勤務の求人も多いので、退職後もしっかり勤められそうです。
資産運用
貯蓄や退職金など限られた資産を有効に活用するため、資産運用を行うこともひとつの手段ですよね。お金が増えることはもちろんこと、経済情勢を気にかけたり、勉強を始めて、考えることを定期的に行えるというメリットもあります。もちろんリスクも伴うため、今から専門知識を持った人のアドバイスを得て、徐々に勉強を始めることをお勧めします。
「支出を抑えて」お金を残す方法
固定費の見直し
収入を増やす方法ではなく、支出を抑えることも必要です。
特に定期的に出て行く「固定費」は見直すと、大幅に支出をカットすることができる可能性も。
最も簡単かつ効果的にカットできるのは、生命保険・医療保険など、保険料。
60代以降の生活において、保険料の支払いは基本的には不要であり、その支出をなくすだけで、月2000円程度、多ければ3万~4万円程度の削減効果があります。
次いでカットしやすいのは、通信費。
携帯電話は、退職後の生活に合わせて、料金プランの変更したり、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えることによって、月1000~7000円程度、削減できる可能性があります。
お使いの携帯電話のショップや家電量販店などに確認して、自分にベストなプランを探しましょう。
また、自動車を所持している方は、手放すことを検討するのも手です。所持するのではなく、近年普及しつつあるカーシェアリングを利用するという方法もあります。
自動車を手放せば、税金、車検費用、駐車場代、燃料代、買い替え費用などが関連費用も無くなりますから、非常に高い削減効果が得られるはずです。
公的サービスを利用する
ご自身のお住いの自治体の「公的サービス」はご存知ですか?
「自治体が提供するサービスを思い切り使わなきゃ損だ」と考えて、使えるものを把握し、積極的に活用しましょう。
調べてみると、結構さまざまなサービスがあることがわかります。
例えば運動をするジムやプール。自治体によっては健康プログラムがあり、トレーナーが付いて教えてくれる、なんてことも。自治体主体のジムを利用すれば、これまでのジム代が5分の1ほどになる可能性があります。
また、市民会館で主催されるさまざまなイベントの多くは、参加費が無料だったり、有料でも一般に比べてかなり安かったりします。そういったイベントに参加して、休日を過ごすのも良いでしょう。
また、自治体で配布されている広報誌などをチェックするのもお忘れなく。
急病や災害で被害が出たときの対処の手順や連絡先なども事細かに記載されていたり、割引情報や無料で受けられるサービスの情報など、知っていると得する情報が掲載されていることが多くあります。
自治体のサービスは、いうまでもなく、その原資は我々の税金。それを払っている我々には使う権利がありますし、おおいに利用していいのです。現役時代は仕事が忙しいので情報誌を読まず、公的なサービスも利用していなかったという人が多いでしょう。公的サービスは低廉な一方、あらかじめ予約が必要など一定の手間と時間がかかります。 退職前は時間がないから、便利だからと、高額な額を払って受けていたサービスを、退職後は「時間を使って、お金を節約」してみましょう。時間を使うことが煩わしいと思う方もいるかもしれませんが、時間をかけて計画的に日常を送ることは、退職後にしかできない新しい楽しみ方かもしれませんよ。
手作りで豊かな生活を追求する
時間をかけて計画的に日常を送ることの一つに「手作り」があります。
外食ではなく、自宅で食事をすることはもちろんのこと、その食材も自分で作ってしまえば、費用が安くなります。
パン、パスタ、調味料も手作りができますし、ハーブなども、簡単にベランダで育てることができます。費用が下がるだけでなく、作る過程を楽しめば新しい趣味にもなるのでオススメです。 手作りには初期投資も必要です。例えばパンを作るならホームベーカリー、パスタを作るならパスタマシンなどを今から購入しておくのもいいですし、セールやフリーマーケットで手に入れておけば、退職後の生活の手助けになるはずです。
心身ともに健康を維持する努力を惜しまない
退職後に、お金と並んで心配なのが「健康」
健康でなければ体がしんどいだけでなく、お財布にも悪影響です。医療費がかさむだけでなく、動けないことで働けず収入もなくなります。出来るだけ長く健康でいるために散歩や筋トレを続けることがおすすめ。体型が変わらなければ洋服代もかかりません。
また、心の健康を保つことも大切です。退職をして楽しいことがなくてつらい、お金のことが日々心配と思うのではなく、毎日を楽しめば心が豊かに素敵な退職後生活が送れるでしょう。
収入を増やし、支出を抑えて、退職後も安心な生活を
「収入源を見つけて」お金を増やす方法と、「支出を抑えて」お金を残す方法はいかがでしたか? 退職後の生活を安心して迎えるために、今から徐々に退職後のことを意識して準備してみてはいかがでしょうか。