日々忙しく過ごす中で「都会での生活はもう飽きてしまった」「老後は、人が少なく自然が多いどこかでのんびり過ごしたい」「移住したいけど実際どうなんだろう…」「自然が多い海外にも興味があるな…」などのように考えている方は、多いのではないでしょうか?今回は移住のメリットやデメリット、老後の移住先としておすすめの地域をランキング形式でご紹介したいと思います。
老後前に考えたい「移住」のこと
満員電車に乗り仕事をして、夜は家に帰って寝るような毎日の繰り返し・・・。 そんな日々を過ごす中で、「都会を離れて暮らしたい」と思う瞬間を経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
都会を離れて暮らしたいと考える人は20代以上の若い世代も増加していますが、もちろん現状は実行できない人も多く「老後こそは、のんびりと暮らすために移住したい・・・」と思う方も多いはず。今回は、そんな「移住」についてまとめました。

「移住」って結局どうなの?移住するメリットとデメリット
移住に憧れる方は非常に多いと思います。その実態はどうでしょうか。現実的に考えてみましょう。
メリット
移住するメリットは、何と言っても自然に囲まれているということです。人が少なく、ゆったりとした時間が流れていますので、都会で感じるようなストレスはありません。
また人が少ない地域ではご近所付き合いが大切になってきますので、お互いの助け合いの精神が強くなり、人間らしいあたたかい付き合いが形成されます。馴染むまで少し時間がかかるかもしれませんが、ビジネス以外での人とのコミュニケーションを楽しめれば、より老後が豊かになることでしょう。
さらに、生活のコスト面を下げることができるのも大きなメリットです。
定年を迎えれば収入は大きく目減りしていきます。現役時代は気にしていなかった、固定資産税、車検代、健康保険料から水道代、光熱費が襲いかかることを想像すると、不安ですよね。少しでも生活のコストを下げることができれば老後の生活がより自由になります。
デメリット
田舎に移住すれば、お隣さんと仲良くなる確率は都会よりも高いですが、そのぶん隣人との距離が近くなるが故に、プライバシーがないように感じることもあるかもしれません。
また、移住する場所にもよりますが、田舎ですと近くに駅、病院、スーパー、コンビニがないという事も珍しくありません。歳を取ると歩くのも大変になってきますが、体が動かなくなるといわゆる田舎暮らしは不便と思う場面も多いかもしれません。
もちろんデメリットもありますが、それを超えるメリットが多いのが「移住」です。今から工夫し、事前に対策を立てることで、デメリットを最小限にすることもできます。

移住先におすすめなのは海外より国内?
移住するにあたって、まず考えたいのは行き先です。
「いつか海外で暮らしてみたい」と思う方もいるかと思いますが、憧れだけで海外移住は危険です。
日本なら、どんなトラブルであれ「日本語」を使った対処で済みますが、海外ではそうはいきません。たとえ日系社会であれ完全日本語は難しく、日系社会がない場所ならなおのことです。
また、海外には家族縁者の存在や古くから知る気心知れた友人等がおらず、頼る人がいないのも生活を難しく感じさせます。
若い単身者ならリスクをすべて負って生活するのもよいかもしれませんが、老後の健康も心配、家族も心配という中ではハイリスクです。さらに自分だけではなくそのリスクは、家族に振りかかります。家族に心配をかけて、巻き込んでしまうのは避けたいですよね。もし、なんとなく「自然の多いところでのんびりと暮らしたい」と思うのであれば、「国内」を選択するのがおすすめです。
国内ならどこがおすすめ?今、人気の移住希望地域ランキング
2019年2月に、地⽅移住(IJUターン)を⽀援する、相談窓⼝「ふるさと回帰⽀援センター」から「2018年の移住相談の傾向、ならびに 移住希望地域ランキング公開」
(http://www.furusatokaiki.net/wp/wp-content/uploads/2019/02/webnews20190219_furusato_ranking.pdf )
が発表されました。リアルに移住を考えている人たちにとってどこが人気なのか、そのランキングとその理由をまとめてみました。
3位 北海道
老後に移住したい理由として、街の雑踏を忘れ「緑」の中で生活したいと思う人も多いでしょう。そこで人気なのが雄大な自然を誇る「北海道」です。
果てしない大空と美しき北の大地北海道は、恵まれた大自然の美しさは言うまでもないですよね。短い夏に広々とした畑で鮮やかに彩る木々や花々、真っ赤に燃えるような紅葉の秋、醍醐味の雪景色の冬。季節それぞれに楽しみが違う北海道には、心動かされること間違いなしの絶景が数多くあります。
自然だけでなく、小樽や函館などの景観も美しく、それが家の近くにあると思うと想像も膨らみます。
また、新鮮な魚介類・野菜など、北海道のグルメも人気の理由です。北海道産の野菜などの食べ物は、寒さによって美味しくなるそうです。さらに農場も広大なので美味しい食べ物がたくさん出てきますし、人気の地場産品が安く手に入ります。そうすれば、毎日の食事が楽しいですよね。
とはいえ、北海道の冬は厳しいものです。雪が降らない日はない、と言っても過言ではありません。たとえ比較的都会の札幌でも積もると言われていますから、毎日雪かきをしないといけない状況は否めません。そもそも北海道の寒さが老体に響きますし、さらに雪かきをしないといけないとなると、健康に自信がある人でないとなかなか難しいかもしれません。
2位 静岡県
2018年の移住希望地ランキングでは、昨年3位だった静岡県が2位にランクアップしています。
静岡県の人気のポイントは、なんといってもその「温暖な気候」です。山間部の一部地域を除いて、雪が降る日はほとんどありません。温暖であるということは過ごしやすいということだけでなく、家計にも少なからず影響していきます。例えば、冬場の暖房費が少なく済んだり、雪対策にかかる費用がありません。極端に厚着をする必要もないので衣服代が安く済む、老後で少しでも生活のコストを下げたい方には嬉しいポイントです。
また、都会や他の地域へのアクセスの良さも支持される理由に挙げられるでしょう。静岡県は関東と関西の都市圏に挟まれる、横に面積が広い県です。本州の大動脈となる東名高速があり、東海道新幹線の駅が最も多いため、交通手段の選択肢も多く、「何かあったら都会に戻る」「子どもや孫に会いに行く」というのも、比較的簡単にできるでしょう。
もちろん、海も山も多く、自然は申し分ありません。最近は富士山が世界遺産になったことで注目度も増しているのかもしれません。
1位 長野県
長野県が移住したい県のナンバー1になる理由は様々ですが、移住するにあたりバランスが良く、リスクが少ない、と言えるでしょう。
先ほどの静岡県の項目でも挙げましたが、首都圏からの近さは嬉しいポイントです。長野駅には新幹線が通っており東京や北陸へのアクセスが良く、頻繁に「何かあったら都会に戻る」「子どもや孫に会いに行く」ことが可能です。
また、土地の広さと人口密度の低さ、自然の豊富さも長野県の魅力です。そのおかげで、ウィンタースポーツの、スキーやスノーボードが盛んであったり、登山などのスポーツも人気ですし、川や湖での釣りもできます。
とくに軽井沢は平均気温が低いので避暑地としても有名で、今では自宅を軽井沢に建てる著名人も増えていることから、過ごしやすいイメージもあるでしょう。
また、自然が多く農作物が豊富といったことがあります。長野県と言えばレタスと白菜の生産量が全国1位ということで有名であるように、長野県に住めばそういった地場産品が安く手に入りますので、美味しいものを手軽に食べられるメリットも大きいですよね。
このように「長野県」は移住するにあたり、デメリットが少ないと言えます。 「都会に比べれば少し不便だけど、住み心地の良い」ことと「普段は静かに生活したいけれど、時々便利な東京に近い」ことが、叶うのが長野県なのではないでしょうか。
老後の生活は、国内移住でのんびりと
いまや日本人が80歳、90歳まで生きるのはごく普通のこと。さらにこれからは100歳・・・110歳と長生きする人は増えていくでしょう。定年を迎えても、20年、30年と続いていく人生をのんびりと過ごす老後の選択肢の1つに「国内移住」はいかがでしょうか。