都内で一人暮らしを始めよう
進学や就職など、これから東京に出て初めての一人暮らしをする人にとって、希望や不安などたくさんの感情があることでしょう。
都内で新生活を始めるにあたり、基盤となるのは「家」です。そこで今回は、都内の賃貸住宅について知っておきたい基本情報をまとめました。
家賃を抑えるポイントについても合わせてチェックしていきましょう。
知っておきたい一人暮らし家賃の相場
はじめに、一般的な一人暮らしの家賃相場について見ていきましょう。
住まいに関する総合情報サイトSUUMOが行った「20代社会人シングル男女の一人暮らしデータ2017」によると、全国で家賃が5~6万円の部屋に住む人の割合は、約50%いることが分かりました。
部屋の広さを見てみると、「ワンルーム」や「1K」に住む人が6割以上を占め、中でも18平米までの部屋に住む人が22.6%と最も多く、次いで20平米までが17.5%、23平米までが15.8%という結果になっています。
次に、東京都内に限定して家賃相場を見てみましょう。全国賃貸管理ビジネス協会で行われている「全国の家賃動向」によると、2019年11月調査において、東京都のワンルーム家賃は6万8,616円と全国平均よりも高値であることが分かります。
そのため、都内での一人暮らし家賃の基準は、全国平均より少し高めの7万円ほどと捉えておくとよいでしょう。
出典:20代社会人シングル男女の一人暮らしデータ2017 | 住まいのお役立ち記事
出典:全国賃貸管理ビジネス協会| 全国家賃動向
家賃の目安は収入の3分の1
「毎月の家賃は、収入の3分の1がよい」という言葉を聞いたことがあるでしょう。いったいこれにはどんな理由があるのでしょうか?
はじめて部屋を借りて生活してみると、家賃以外の出費の多さに驚く人は多いものです。
毎日の食費・水道光熱費はもちろん、服飾費や交際費のほか、体調を崩したときの医療費、インターネットや携帯電話の通信料、家の更新料など、「思わぬところから出費があった」ということは往々にしてあるものです。
さらに、学生やアルバイトであれば、国民年金や国民健康保険料の支払いも重なります。
厚生労働省が発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、大学・大学院卒の20代前半の男女の賃金は、220~230万円となっています。月にすると約19万円の収入となるため、この3分の1となると、月の家賃は6万円ほどで抑えたいところです。
先に述べたように、都内一人暮らし家賃が7万円ほどと考えると、できるだけ家賃を抑えられる物件を探すことができると、生活にゆとりがもてそうですね。
出典:平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
都内で家賃が安い地域はどこ?
では、東京都内でなるべく家賃を抑えて生活するとなると、どのあたりに住めばよいのでしょうか?家賃が安いといわれている地域について見ていきましょう。
葛飾区や江戸川区などの北東部
葛飾区や江戸川区は、東京の北東部、お隣はすぐ千葉県という場所にあります。
葛飾区は昔、工場で働く人々の住まいとして栄えた背景があり、家賃や物価がリーズナブルなのが特徴です。「亀有」や「柴又」と聞いて、マンガや映画を思い出す人は多いでしょう。そんな下町としての古き良き人情味あふれるエリアです。
江戸川区は都内最南東にあるものの、地下鉄やJRなど複数の路線が乗り入れているため、都心へのアクセスに不便を感じることはないでしょう。
日本一インド人が多く「リトル・インディア」とも呼ばれている「西葛西」も江戸川区にあり、本格的なインド料理のお店が軒を連ねています。
大きな公園や、下町情緒あふれる街並みが残り、一人暮らしの学生や小さな子供のいるファミリー層が多く住むエリアで、ワンルーム5万円台から住むことも可能です。
練馬区や板橋区などの北西部
埼玉県に隣接した都内北西部にあるのが、練馬区や板橋区です。
日本初のカラー長編アニメが製作されたことなどから、「アニメ発祥の地」としても栄える練馬区は、カーニバルや展示会など、アニメを通したイベントが多く開催されています。
また、大学のキャンパスや緑豊かな石神井公園など、穏やかな風土と住宅街を兼ね備えたエリアとして人気があります。
板橋区は、江戸時代から宿場町として栄え、いまもなお歴史的建造物が多く存在する街です。駅周辺は商店街がにぎわいを見せ、地域でのつながりの強い下町として活気づいているのが特徴です。
「板橋駅」からは都内有数の繁華街「池袋」までも徒歩圏内にもかかわらず、ワンルームであれば、6万円台で住むことができるでしょう。
家賃を抑えるためにはどうしたらよい?
住むエリアを絞る以外にも、家賃を抑える方法があります。家賃を抑えるポイントを理解して、自分の譲れないポイントと照らし合わせながら、物件選びの参考にしてみましょう。
築年数の古い物件を選ぶ
その物件が建設されてから、どのくらいの年月が立っているかを表すのが築年数です。この年数が古い物件を選ぶことで、家賃を抑えることが可能です。
建物は一般的に、築年数が10年を超えると約1割、20年超えなら約2割というように、古くなるにつれて家賃が下がっていくとされています。これは、築年数が古いほど、建物や設備が劣化するためです。
とはいえ、近年では内装をリフォームしていたり大幅に機能を改善させるリノベーションをしていたりなど、築年数が古いとは思えない物件が数多く存在します。外見や築年数にとらわれず、候補にいれておきたい物件といえるでしょう。
また、1981年6月1日に建物の耐震基準が新しいものへと変更になっています。具体的には、震度5強程度の耐震から、「震度6以上地震に耐えられること」がルールとなりました。
築年数にはこだわらないけれど耐震基準が心配という人は、『建築確認の通知書の発行日』で日にちを確認しておくと安心です。
駅やスーパーから離れている物件も候補に入れる
暮らしの利便性を求めると、どうしても「駅チカ」や「スーパーからの距離」を優先して、物件を探すこともあるでしょう。
しかし、家賃を抑えたいと思うならこの条件は外して考えることが必要です。駅や商店街、スーパーなどの日常生活に欠かせない施設から離れているということは、不便であるが故に家賃を抑えられるポイントになるのです。
暮らしに慣れるまでは、不便に感じることもあるかもしれません。しかし健康のためのウォーキングだと捉えると良いでしょう。自転車を購入することもおすすめです。
多くの人が集まる場所から離れている分、閑静で落ち着いた生活を送ることができるとも捉えられます。極力家賃を抑えたい、時間に余裕があり、ゆったりとした生活を望むのであれば、候補に入れたい立地といえるでしょう。
暮らしをイメージして、都内で一人暮らしを始めよう
はじめての一人暮らしには不安がつきものです。特に、収入と家賃を含めた支出のバランスについて悩むことは多いでしょう。そんなときは、家賃の安いエリアで暮らしてみることがおすすめです。
全国平均よりも家賃の高い東京都内ですが、葛飾区や江戸川区などの北東部・練馬区や板橋区などの北西部など他県よりのエリアであれば、家賃が安い傾向があります。
さらに、駅から離れている・築年数の古い物件などを選べば、家賃をもっと抑えることが可能です。安いだけでなく、周辺環境が落ち着いていたり、内装がきれいだったりなど、メリットが隠れていることもありますよ。
まずは自分の理想とする暮らしを考え、譲れないポイントを考慮しながら、無理のない家賃で生活できる物件を見つけましょう。
※参考サイト
▼家賃の目安は給料の3分の1? 一人暮らしの家賃目安とは [部屋探し・家賃] All About
https://allabout.co.jp/gm/gc/30428/
▼葛飾区住人が選んだ住みやすさ抜群の街BEST5【家賃が最も安い区】 | 東京23区住みやすさランキング
▼江戸川区住人が選んだ住みやすい街BEST5【エリアによっては治安が悪い区】 | 東京23区住みやすさランキング
▼東京都江戸川区ってどんな街?家賃相場はいくらぐらい? | 賃貸の森
▼練馬区公式ホームページ
https://www.city.nerima.tokyo.jp/
▼練馬区住人が選ぶ住みやすさ抜群の街BEST5【治安も雰囲気もよい区】 | 東京23区住みやすさランキング
▼板橋区で一人暮らしするならどこが狙い目? 専門誌の編集人に聞いてみた | マイナビ賃貸でお部屋探し
https://chintai.mynavi.jp/contents/sumaioyakudachi/20170913/s960/
▼賃貸の築年数、どう判断する?古くてもいい物件の賢い見分け方
https://o-uccino.com/front/articles/54010
▼リノベーションとは? リフォームとの違い、費用、進め方を解説します。 | リノベる。ジャーナル
https://www.renoveru.jp/journal/23
▼家賃を出来るだけ抑えたい女性必見!お部屋探しのポイントをわかりやすく解説! 【Woman.CHINTAI】
https://woman.chintai/ST01/knowledge/0155_looking-for-rent-saving-room/
▼家賃が安い「駅から遠い物件」と家賃が高いけど「駅から近い物件」はどちらに決めるべきか? | apple-apaman.jp